2024/05/01 13:18
【プリーモ・レーヴィを巡って】
人文系私設図書館ルチャ・リブロの青木さんご夫妻との座談会は無事終了致しました。
プリーモ・レーヴィをテーマにお二人の青木さんや参加者の皆様と意見を交わし、意義深いひと時を過ごすことが出来ました。定員を超える9名もの方にご参加頂き嬉しい限りです。
当店からは
レーヴィと日本
レーヴィと物語
レーヴィとリゴーニ・ステルン
レーヴィと青木さん
といったキーワードでお話させて頂きました。(間違えていることも多々あるかと思うのであくまでその前提で)
レーヴィが遺した日本語のメモ書き「死」
(morte)と「美」(bello)のこと。
アウシュビッツの体験記は当初ナタリア・ギンズブルグを通じてエイナウディから出版を考えていたが断られてしまったこと。
収容所から解放後のイタリアまでの帰国の途を描く『休戦』と人間と半人半獣の生物が共存する世界についての物語『ケンタウルス論』の類似性について。
記憶を呼び起こす薬、自動で詩歌を書き起こしてくれる装置や人の美しさに点数を付ける機械、再生すると他人の出来事を感覚ごと複製できるビデオテープや虫を操る男の話など、現代社会を示唆していたように思われる短編作品の数々が収められる『天使の蝶』について。
イタリアの収容所作家としてユダヤ人という枠組みを超え知っておきたいリゴーニ・ステルンについて。(ロシア戦線での大敗を経験した上、イタリアの敗北宣言後にドイツに捕らえられ収容所送りになったイタリア人。解放後は故郷の山で作家として暮らした。)
プリーモ・レーヴィの収容所に係る三作品『これが人間か』『休戦』『溺れる者と救われる者』についてと、ソビエトのユダヤ人パルチザンの活動を物語とした『今でなければいつ』を概観しながら、社会の構造と人間のあり方について思いを巡らせる青木さんご夫妻とレーヴィについて。
など、限られた時間の中、可能な範囲で様々なお話をし、想いを語り合えたこととても嬉しく思っております。
会場となったイタリア菓子店ドルチェリア・ズッカさんでは好評につき5月も青木さんのエッセイ『不完全な司書』の原画と当店のイタリア書籍の展示販売が引き続き延長されることになりましたのでタイミングが合う方がおられましたらご来店頂けると幸いです。
宜しくお願い致します。
チェルビアット絵本店
四方 実