2025/04/10 10:37

【朝読の記録】2024年: 3学期

新学期を迎えましたが、遅ればせながら昨年度 3学期、朝読で小学生のみんなに読ませてもらった絵本です。

今回は「絵を読む」をテーマに選びました。

というのも小学校に絵本『一本の木がありました』の原画が飾られて校内原画展をしていたからです。

この絵本には文章はたった一文「一本の木がありました」しかなく、物語は絵から想像するしかありません。

そんな絵本の原画がせっかく校内で展示されているのなら!と各クラス最後に読む3冊目の絵本が本作になったため、最初に読む2冊も絵で読む絵本にしたいなと選びました。

学年により少し絵本を変えたりもしましたが、どのクラスも1冊目はある程度文章量があるもので、ところどころ絵しか無いページもある絵本を選定。文の無いページの絵だけを見てお話を想像してもらいました。

2冊目は文章だけのページと絵だけのページがあって絵の意味を考えたり想いを馳せられる絵本を読む、という風にして少しずつ文の少ない絵本に移行する構成にしました。

ピアノが嫌いなの、だってね…
お風呂は嫌だ、だってさ…

と理由の部分は絵だけで説明される絵本『だって…』や、

耳が一番大切よ、だって遠くの音まで聞こえて便利だわ、と話すウサギの言葉を聞いて自分の耳が伸びたところを想像する他の動物たち。その空想の場面は文春が無くだけで描かれる絵本『いちばんだいじなもの』

をはじめ「絵を見る」という目線で様々な絵本を読ませて頂きました。

そして最後に読んだのが『一本の木がありました』

一つしか文章の無い絵本を言葉を出さずにページを静かに繰っていくのは「これで大丈夫かな?みんな楽しんでくれているのだろうか?」と読み手の方も緊張するひとときでした。

低学年や中高学年かを問わず「あの女の子お母さんになってる!」「木が折れて流れてる!」とか前のページの絵と併せてストーリーを想像する子ども達の逞しさを目の当たりにして、余計な心配をしていたなと反省しました。

子ども達の力を信じる、というより私たち大人の方が心の豊かさが失われているのかもしれないな、とそんな風にも思えた読み聞かせの時間になりました。

絵本『一本の木がありました』

くすのき しげのり 文
ふるやまたく (古山 拓)絵
PHP出版

※校内原画展の様子も掲載しておきます。