2026/09/01 21:41



奈良の桜井で「イタリアの絵本の魅力を伝え、絵本でイタリア語を学ぶ」という講座のご依頼を頂き担当させて頂きました。
イタリア語は初めてという入門の方々へイタリアや絵本の魅力を伝える機会を頂き嬉しく思っております。
前半は絵本の中に現れるイタリアの文化というテーマでお話させて頂き、後半はイタリア語の絵本 Sono triste o sono felice (ぼくはかなしいのかな、それともうれしいのかな?)のテキストから以下のような文章を抜粋して文法の説明をしながら読解していきました。
Sono triste perché c’è la pioggia
Sono felice perché c’è la pioggia
雨だからぼくは悲しい
雨だからぼくは嬉しい
絵本にはリズム良く何度も同じ構造の文章を繰り返すという類の作品があります。今回の絵本もそういった系統の絵本。ぼくは「悲しい」と「嬉しい」が繰り返され、雨だから、風だから、寒いから、暑いから、と理由の部分が都度変わっていきます。
同じ雨降りでも海で泳ぎたいぼくは悲しいし、育つのに水が必要な木は嬉しい、という風に同様の現象も主体が変われば感じ方が変わるんだよ、ということが絵とテキストを併せて読むことで伝わるとても楽しい作品です。
その中で繰り返されるtriste(悲しい)とfelice(嬉しい)という単語は頭に残りやすいですし、「~だから・・・だ」という構文も定着しやすいのではないでしょうか。
また、同じ構文に何度も触れながらも、雨だから、風だから、寒いから、暑いから、と理由の部分を読むことで色んな語彙に触れられることも特徴的です。
嬉しいを表すfeliceという単語は「フェリーチェ」とローマ字読みでもすっと読めます。イタリア語には読みやすい単語も多いので初めての方も学びやすいです。
次に引用したのは以下のイタリア語。
Sono felice perché c’è il vento. 風だから嬉しい
Sono felice perché c’è la pioggia. 雨だから嬉しい
Sono felice perché c'è l'acqua. 水があるから嬉しい
これは「風だから」「雨だから」「水があるから」とぼくが嬉しい理由を抜粋した箇所です。先程あげたように、同じ構文の中で雨、風、水と色んな単語に触れられることが見てとれますが他にも注目したい単語 il, la, l' があります。
これらの単語を説明する前に知っておいてもらいたいのはイタリア語の単語には男性名詞と女性名詞があることです。基本的には-oで終わる単語が男性名詞で-aで終わるものが女性名詞となるのでこの3つの単語は以下のようになります。
il vento(風)→ 男性名詞
la pioggia(雨)→ 女性名詞
l’acqua(水)→ 女性名詞
これらの名詞 vento(風)、pioggia(雨)、acqua(水)、の前に付いている il, la, l' という単語が定冠詞というもので「その」という意味を表します。イタリア語では、男性名詞に il 、女性名詞に la、母音から始まる名詞に l’ と形を変えて定冠詞を付けるというルールがあります。そのため il vento、la pioggia、l’acquaと3通り形を変えて定冠詞が付いています。
補足:イタリア語の名詞には語尾が -e でおわるものもあり、男性名詞か女性名詞か見かけでは判断が付かず逐一覚えなければなりません。また名詞の複数形は語尾の母音を変えて表します。定冠詞は男の変化だけではなく単数・複数形の変化もあり、特殊な男性名詞にはil ではなくloになる、というルールもあります。それらのルールは以下にまとめます。
il pomodoro / il peperone → 男性単数(語尾がoかe)
i pomodori / i peperoni → 男性複数(語尾がiに)
la mela / la noce → 女性単数(語尾がaかe)
le mele / le noci → 女性複数(語尾が a→e、 e→i に)
lo scoiattolo, zaino, psicologo, pneumatico, yogurt, xilofono, (gnocco) →特殊な男性名詞・単数
gli scoiattoli, zaini, psicologi, pneumatici, gnocchi, gli ansipasti →特殊な男性名詞・複数
l’antipasto, l’arancia, l’orata →母音から始まる名詞・単数
*語彙*
pomodoro(トマト)、peperone(ピーマン)、mela(りんご)、scoiattolo(リス)
zaino(リュック)、psicologo(心理学者)、pneumatico(タイヤ)、yogurt(ヨーグルト)
xilofono(木琴)、gnocco(ニョッキ)、antipasto(前菜)、arancia(オレンジ)、orata(鯛)
他にも少し文法の説明を記載しておきます。
essere(~である): io sono/ tu sei/ lui, lei, Lei è/ noi siamo/ voi siete/ loro sono
c’è: ~がある、~がいる。 単数形 (ci + è = c’è) / c’è un pomodoro
ci sono: ~がある、~がいる。複数形(ci + sono) / ci sono due pomodori
次の文章はこちらです。
Sono felice perché sono rosso
Sono triste perché sono rosso
こちらは形容詞の変化です。
赤いという意味の形容詞 rosso(ロッソ) も名詞に合わせ rosso, rossi, rossa, rosseと4通り変化します。
pomodoro rosso / peperone rosso(男性単数:rosso)
pomodori rossi / peproni rossi(男性複数:rossi)
mela rossa / carne rossa(女性単数:rossa)*carne: 肉
mele rosse (女性複数:rosse)
次はavere(持っている)の活用です。
Sono felice perché ho un buco ぼくは穴が開いていて嬉しい
Sono triste perché ho un buco ぼくは穴が開いていて悲しい
ちなみに絵本では嬉しがっているぼくは「ドーナツ」で、悲しがっているのは「靴下」です。
ho un bucoは、ho(持っている)、un(一つの)、buco(穴)という意味で、一つの穴を持っている=穴が開いているという表現です。一つのという単語もイタリア語では un, una, unoの3通りあります。
un pomodoro / un peperone(男性名詞)
una mela / una noce(女性名詞)
uno zaino / uno scalogno(男性名詞特殊)*scalogno: エシャロット
イタリア語では主語が変わると動詞が活用します。hoというのは私が持っているという意味。もともとの形は avere (アヴェーレ)です。こちらは主語に合わせ以下の通り変化します。
avere
io ho 私は持っている
tu hai 君は持っている
lui / lei / Lei ha 彼は/ 彼女は/ あなたは持っている
noi abbiamo 私たちは持っている
voi avete あなたたちは持っている
loro hanno かれらは持っている
最後はこちら
Sono triste perché fa caldo. ぼくは暑くて悲しい(fa caldo: 暑い)
Sono triste perché fa freddo. ぼくは寒くて悲しい(fa freddo: 寒い)
faの原型はfare(する、作る)で本来は以下のように活用します。
fare(~する、作る): faccio fai fa facciamo fate fanno
思うがままに書き殴ってしまいましましたが、このように絵本の中でじっくり文法を見ていきながらイタリア語を楽しみました。イタリア語なんて初めてという方々声を出して一緒に読んだり意味を考えたり楽しそうに参加して下さる様子が感じられてとても幸せなひと時でした。
講座を企画下さった木口様、ありがとうございました!!
