☆Dove batte il cuore
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【イタリア絵本】
翻訳が秀逸な絵本です。意訳ってこうやってとるんだ、というお手本のよう。
物語の筋は全く崩さずにほとんど直訳が無いという訳し方をされています。
説明の為にまずあらすじを絵本ナビ様から引用させて頂きます。
——引用——
2匹のネコのクロとシロ。
たくさんの星が空にきらめくある夜、クロはシロを誘って湖にやってきます。
湖に浮かぶキラキラ光るものをシロにプレゼントするためです。
ところが、湖の表面をつかもうとしても、すくってみても、クロが思っているキラキラを手に入れることができません。
バケツを使っても、網を投げ入れてもやっぱりダメ。
思ったものと違うものばかりをつかまえてしまうのです。
とうとう湖に飛び込むクロですが・・・。
すっかりションボリしているクロの横で、シロはやさしくにっこり微笑んでいます。
だって、シロはそのキラキラがどこにあるか、ちゃんと知っていたから。
それはね・・・。
————————
というお話を踏まえた上で翻訳の妙についての話に戻ります。
説明の為、冒頭の「星がキレイなのでクロがシロを誘う」というシーンを取り上げさせて頂きます。
<<日本語版 本文から>>
→クロはだいすきなシロを散歩にさそいました。
<<イタリア語版 本文から>>
→”Bianca, vieni con me, mi è venuta un’idea.”
(直訳: シロ、僕についておいで。良い考えが浮かんだんだ。)
という文章になっています。
「クロがシロを誘って散歩に行く」という同じ場面を描いているのですが、
日本語版では地の文(ナレーター=第三者)で表現され、
イタリア語版ではクロの一人称の視点で、会話文(話し言葉)により表現されているのです。
このようにほとんどの文章が日本語とイタリア語で直訳されていないのですが、描かれる場面は変わらないという面白い絵本になっています。
じつは、タイトルからして面白いんです。
邦題は「きみへのおくりもの」ですが、伊題は”Dove batte il cuore” (心がドキドキするところ)となります。
言葉を訳すことにとらわれず、物語の内容から付けたタイトルというのがわかりますね。どちらもとても素敵なタイトルだと思います。
最後に幾つか本文を抜粋させて頂きますので「へぇー、そうなんだ!」訳の違いを楽しんで頂けると嬉しく思います(^^)
——本文から——
1. イタリア語原文
Bianca, vieni con me, mi è venuta un’idea.
直訳(私訳): シロ、僕についておいで。良い考えが浮かんだんだ。
日本語原文:
たくさんの星が 空にきらめく ある夜のこと。
クロはだいすきなシロを散歩にさそいました。
—————————
2. イタリア語原文
Vorrei prendere queste luci nell’acqua e dartele tutte, che ne dici?
直訳(私訳):
僕はこの水の中のキラキラをすくって全部君にプレゼントしたいんだ。どうだい?
日本語原文:
湖にうかぶキラキラ光るものをシロにプレゼントするためです。
————————
3. イタリア語原文
Ma di luci nemmeno una.
直訳(私訳):
(大きな網ですくってみたら大きなタコがかかりました。でも)キラキラは一つもありません。
日本語原文:
(大きな網ですくってみたら大きなタコがかかりました。でも) ”キラキラ”はどこ?
———————————————
Dove batte il cuore
きみへのおくりもの
刀根 里衣(とねさとえ) 作/絵
NHK出版
KITE edizioni
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イタリア語絵本翻訳
Traduzione dei libri illustrati in italiano↓
http://blog.livedoor.jp/cervietto_minoru/
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