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【予約品】サイン入り fuori fuoco 『13枚のピンぼけ写真』日本語版

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【イタリアからの物語】日本語版のある物語

「いまのがオーストリアのケダモノだったの?」

「おかしいなあ。イタリアのケダモノによく似てたけど」

・・・
これは、第一次世界大戦時におけるある家族の物語。

お互いに自国の領土だと主張する地域をめぐりイタリアとオーストリアとの戦争は始まった...

これが第一次世界大戦の中でのイタリアの位置付けであり物語はそんな過酷な時代を過ごす一家の長女イオランダの目線で語られます。

他国へ出稼ぎに行く家族が多かった時代、主人公のイオランダの一家は皮肉にも戦争前後をオーストリアで暮らしていました。

イタリア人であるイオランダ達と職場のオーストリア人達がいがみ合っているわけではありません。それでも戦争によりかれらは引き離されることになるのです。

タイトルにある「ピンぼけ」という言葉には、男達が出向く戦地にピントを当てた時、焦点がボケてしまう残された家族の女性達の歴史を忘れないでないでほしいという著者キアラ・カルミナーティさんの想いが込められています。

そして原題のfuori fuoco(フオーリ・フオーコ)のfuocoという言葉には「焦点」という意味と「火」という意味があります。

ですのでこのタイトルはfuoco(火)のfuori(外に)、つまり「戦火を逃れて」という意味と、fuoco(焦点)のfuori(外)、つまり「ピンぼけ」という二つの意味を示すダブルミーニングになっています。

そんな戦火を逃れ彷徨う一家のエピソードの中で私の心に刻まれるシーンがあります。

———
「いまのがオーストリアのケダモノだったのの?」

「おかしいなあ。イタリアのケダモノによく似てたけど」
———
これはオーストリアの兵士が家にやって来た時、主人公達に銃を向けるのではなく、「食べ物を恵んでほしい」と声をかけ「イタリア人は優しいね」と笑いかけ出て行った場面で主人公の妹マファルダがふと呟いた一言です。

敵国であるはずのオーストリア人が自国の兵士と同じように見えた...一体何が正しくて正しくないのか、それぞれの国の正義と個々の人間性とはまた別のことだというのが強く伝わる場面に思え、深く心に残りました。

このマファルダは時に大人にも見えていない真実を見透かすように核心をついた言葉を放ちます。

神父様が「戦争は国の為だからみんな応援しなければいけない」と言った時、「あれ、いつもの神父様の気持ちがこもった言葉に聞こえないな」と感じたり

酔っ払いが喧嘩をしている時に仲裁に入って説教をしている神父様を見て「あぁ、良かった、いつもの神父様だ」と安心したり

人の本当の気持ちをストレートに感じる少女の心に、読んでいるこちらがドキッとしてしまうようなマファルダ。

もう一つ主人公のお父さんの粋なエピソードがあります。

主人公のイオランダの父が戦争に行かなければならなくなり、母が沈みこんでいる時、その父はこんなことをおどけて言います。

「君みたいな世界一美しい妻を娶れて私以上の幸せ者はいないよ。この国の王様よりもね。」

そんなことを言って、映画の中の王子様とお姫様のダンスのシーンのように妻の手を取りくるっと回るのです。そうすると先ほどまで浮かない顔をしていたお母さんはニッコリ...

とても素敵なシーンではないでしょうか。

戦火を逃れたくましく生きる少女とその一家からピントを外さずに物語をお楽しみ頂けると嬉しく思います。

—-原書の裏表紙から—
La guerra la fanno gli uomini. Ma la perdono le donne.
戦争を始めるのはいつも男の人なのに、泣き寝入りするのはいつも私たち女性なの
————————————
タイトル:
Fouri fuoco
13枚のピンぼけ写真

Chiara Carminati
キアラ・カルミナーティ 作

関口英子 訳

古山 拓 挿画

Bompiani 出版

岩波書店 出版(日本語版)

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